手首に多い!?
「ガングリオン」とは
どんな病気?
ガングリオンとは、手首の甲側などにできる、ゼリー状の内容物が詰まったできものです。
触った感じでは、やわらかい場合と、弾力を伴う場合があります。
大きいものだと、手をついたときに痛みが出たり、見た目が気になったりといった問題が生じます。
ガングリオンは全身のどこにでもできる可能性がありますが、先述の手首の甲側あるいは手のひら側、手のひら側の指の付け根、肘などでの頻度が高くなります。
また、比較的女性に多く見られます。
ガングリオンの症状や特徴
関節や腱の周りにできる
袋状の腫瘤
ガングリオンは、関節、腱鞘などの周囲に形成される袋状の腫瘤です。
内部には、ゼリー状の内容物が詰まっています。
手首や指に多い
もっともよく見られるのが、手首の甲側にできるケースです。
その他、手首の手のひら側、手のひら側の指の付け根、肘などでも見られます。
痛みはないことが多いが、神経圧迫による症状も
多くの場合、ガングリオンに痛みはありません。気づくきっかけは、見た目の変化がほとんどを占めます。
ただ、ガングリオンの大きさ、できた部位による神経の圧迫などによって、以下のような症状が見られることがあります。
- 痛み(関節を曲げた時)
- しびれ、違和感
- 関節の動かしにくさ
大きさが変わることがある
ガングリオンは、大きくなったり小さくなったりと、その大きさが変化します。また、自然に消失することもあります。
ただ、症状や見た目から日常生活に支障が出ている場合には、放置せず治療を受けることをおすすめします。
ガングリオンの原因
ガングリオンは、関節包、腱鞘が損傷して袋状となり、そこに関節液が溜まることで形成されます。
ガングリオンの検査・診断
医師の視診・触診により、おおよその診断ができます。
ただ、他の腫瘤との鑑別のため、以下のような検査を行うことがあります。
吸引検査
皮膚から針を刺し、ガングリオンの内容物を吸引し、その内容物を調べる検査です。
内容物の吸引によってガングリオンは小さくなるため、検査と治療を兼ねることになります。
画像検査(超音波検査)
超音波検査などの画像検査を行います。
ガングリオンの治療
痛みやしびれといった症状、あるいは見た目の問題などで日常生活に支障が出ている場合には、以下のような治療を行います。
ガングリオンは自然消失することもありますが、必ず消失するというわけではなく、それがいつになるのかも分かりませんので、気になるようでしたら、お気軽に当院にご相談ください。
吸引による治療
通常、第一選択となる治療です。
吸引検査と同様、針を刺し、ガングリオンの内容物を吸引します。
袋状の組織は残ったままであるため、再発の可能性がありますが、繰り返しの吸引治療によって、袋が小さくなり、再発リスクは下がると言われています。
手術
痛みやしびれといった症状が高度であったり、吸引治療を行っても再発を繰り返す場合には、手術を検討します。
当院では、吸引治療およびガングリオンの日帰り手術に対応しております。
ガングリオンの
再発防止・予防法
ガングリオンの再発防止・予防において、確実な方法はありません。
ただ、以下のようなことが、再発防止・予防に一定の効果をもたらす可能性があります。
手首・手指などの関節への負担を軽減する
ガングリオンが発生しやすい手首・手指(の根本)などに対して、過度の負担がかかる姿勢や習慣、運動を避けることに、一定の再発防止・予防効果があるのではないかと言われています。
関節まわりの筋力・
柔軟性を高める
関節の負担を軽減するには、そのまわりの筋肉を鍛えたり、柔軟性を高めることが有効とされています。
手首や肘などの関節まわりの筋力トレーニングやストレッチを行うことで、一定のガングリオンの再発防止・予防効果があるのではないかと言われています。