アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎とは
アトピー性皮膚炎とは、かゆみを伴う湿疹が良くなったり悪くなったりを繰り返す病気です。
症状は左右対称に現れ、特に額・耳・目のまわり、首や腋、肘・膝の内側での頻度が高くなります。
多くは乳幼児期に発症しその後徐々に良くなりますが、大人になっても治らない・大人になって初めて発症するといったケースもあります。
アトピー性皮膚炎の症状
アトピー性皮膚炎では、主に以下のような症状が見られます。
乾燥
皮膚が乾燥し、触るとカサカサします。
湿疹・かゆみ
赤み、ブツブツ、ジュクジュク、かゆみなどの症状が見られます。
かさぶた
かゆみから皮膚を引っかくと傷になり、かさぶたが形成されます。
アトピー性皮膚炎の原因
アトピー性皮膚炎は、皮膚のバリア機能の低下に、外部からの刺激が加わることで発症します。
皮膚のバリア機能の低下
皮膚の乾燥(保湿の不足)、遺伝的要因などによって皮膚のバリア機能が低下すると、外部からの刺激に反応が起こりやすくなります。
外部からの刺激
バリア機能が低下した皮膚が、ちりやほこり、花粉、紫外線、汗、真菌などによって刺激されることで炎症が生じ、湿疹などの症状が引き起こされます。
アトピー性皮膚炎の
検査・診断
症状、発症時期、既往歴・家族歴などを確認した上で、血液検査を行い、診断します。
アトピー性皮膚炎の
治療・治し方
アトピー性皮膚炎の治療では、薬物療法とスキンケアを行います。
薬物療法
基本となるのは、ステロイド外用薬です。ステロイドに抵抗がある方もいらっしゃいますが、皮膚の状態に合わせて強さの異なるステロイドを選択し、また限局的に外用しますので、副作用が強く出る心配はほとんどありません。何かご不安があれば、お気軽にお尋ねください。
その他、タクロリムス軟膏、抗ヒスタミン剤、生物学的製剤なども使用することがあります。
紫外線療法
免疫反応を調整し、かゆみや炎症の軽減に効果があります。
当院が採用しているエキシプレックス308(Exciplex 308) は、波長308nmのエキシマライトを利用した紫外線治療器です。「ターゲット型ナローバンドUVB」とも呼ばれ、紫外線の中でも炎症や免疫の異常を調整する効果が高い波長を、病変部だけにピンポイントで照射できるのが特徴です。
紫外線療法は、紫外線の免疫抑制作用を利用した治療方法で、308nmの波長のみを照射する最新の治療法です。治療法は、エキシマライトの光を数秒照射し、痛みは全くありません。
ほんのりと温かい感じがします。
治療頻度:週1〜2回が一般的。症状に応じて間隔を調整します。
スキンケア
保湿剤を用いて、皮膚のバリア機能低下を防ぎます。
保湿剤は、朝、夕方(入浴後)の1日2回、使用するのが基本です。
湿疹
湿疹とは?湿疹の原因
湿疹とは、皮膚に生じる炎症です。
かゆみ、赤み、水ぶくれ、カサカサ・ガサガサ・ジュクジュク、乾燥など、さまざまな症状がここに含まれます。
外的要因
紫外線・寒暖差・汗・皮脂・摩擦などによる物理的刺激、洗剤・薬品・化粧品などによる化学的刺激、花粉・ハウスダスト・食品・金属・虫などのアレルゲンなどが挙げられます。
内的要因
もともとの乾燥肌、皮脂の過剰分泌、免疫力の低下、アトピー素因などが挙げられます。
湿疹の種類
湿疹は、以下のようなさまざまな疾患で見られる症状です。
手荒れ
(手湿疹・主婦湿疹)
水仕事、洗剤・薬剤との接触などを原因とします。カサカサ・ガサガサ(ひび割れ)、赤み、かゆみ、痛みなどの症状を伴います。
乳児湿疹
皮脂の分泌が盛んになる乳児期に起こる湿疹です。赤み、ブツブツ、乾燥、かゆみ、フケなどの症状を伴います。
あせも(汗疹)
皮脂の過剰な分泌、汗の放置などによって汗腺が詰まります。赤み、ブツブツ、水ぶくれ、かゆみなどの症状を伴います。
汗疱・汗疱状湿疹・
異汗性湿疹
手のひらや足裏・足指などに小さな水ぶくれが多発します。赤み、かゆみ、痛みなどの症状を伴います。はっきりとした原因は不明ですが、金属アレルギーを有する方に発症することが多いと言われています。
かぶれ(接触皮膚炎)
刺激物質やアレルゲンとの接触によって、赤み、ブツブツ、水ぶくれ、かゆみ、ヒリヒリ感などの症状が引き起こされます。
アトピー性皮膚炎
かゆみを伴う湿疹が、良くなったり悪くなったりを繰り返します。引っかくと傷になり、かさぶたが形成されます。
皮脂欠乏性湿疹
加齢や空気の乾燥、洗い過ぎなどを原因として、皮脂の分泌が少なくなります。かゆみや赤みといった症状を伴います。
脂漏性皮膚炎
皮脂の過剰な分泌によって、赤みやブツブツ、フケなどの症状を伴います。頭・顔で好発します。
湿疹の主な症状
湿疹とは、皮膚の炎症の総称であり、以下のようなさまざまな症状が含まれます。
- かゆみ
- 赤み
- 水ぶくれ
- カサカサ
- ガサガサ(ひび割れ)
- ジュクジュク
- 乾燥 など
湿疹の検査・診断
症状、既往歴、服用中の薬などを確認します。思い当たる原因・誘因があれば、医師にお伝えください。
アレルギーなどが疑われる場合には、血液検査、パッチテストも行います。
湿疹の治療・治し方
湿疹の種類によって治療法は異なりますが、薬物療法が基本となります。
必要に応じて、スキンケア、アレルゲンの除去なども行います。
薬物療法
塗り薬としては、ステロイド・抗菌薬・抗真菌薬などの外用薬(軟膏・クリーム・ローション)を使用します。
症状が重い場合、全身に現れている場合には、ステロイドの内服、抗ヒスタミン薬の内服などが必要になることもあります。